
ご縁がつながり、地域でうまれる「交流拠点づくり」の日記
2026年10月更新
現在募集中の地域おこし協力隊情報
長崎県内の地域おこし協力隊に関心をお持ちの方へ。
弊社が自治体と伴走し、募集企画や受け入れ体制の設計などを支援している募集プロジェクトを紹介します。
地域のリアルやミッションの背景まで深く取材・把握している注目のプロジェクトです。
長崎県五島市に移住してからの数か月。振り返ってみると、それは「偶然のご縁」と「地域の方々の声」から始まっていました。
自転車で島をめぐり、古民家との出会いがあり、子どもたちとの関わりが生まれ、気がつけば「寺子屋」や「商店」「ものづくり工房」まで広がっていきました。
この記事では、そんな自分が五島市で過ごしたなかで、どのように地域の人たちとつながり、小さな交流拠点をつくるに至ったのかを、日記のように振り返ってみたいと思います。
※前回の記事:「【地域の交流拠点をつくる】海なし県・埼玉から長崎の離島に移住ストーリー」
はじまりは「自転車での地域めぐり」から(2024年4〜7月)
自分は2024年4月、海のない埼玉県から長崎県五島市の地域おこし協力隊として着任しました。着任後はまず、市内のさまざまな地域を自転車でめぐってみました。
五島市は複数の島からできていて、自分のいる島は福江島(ふくえじま)といいますが、島の風景を感じながら走っていると、徐々に地域の方から声をかけていただくことも増え、少しずつ顔を覚えてもらえるようにもなっていきました。

公園で地域の方々とペタンクに参加させてもらえましたそんな中、ご縁をいただいた地域の方から「この家、空いているよ」と古民家を紹介していただくことがありました。
その古民家は海まで歩いて数分。屋根や柱がしっかりしている立派な家で、玄関には土間があって、元は牛小屋だった建物もついている。裏庭では家庭菜園ができて、軽自動車くらいなら停められるスペースまである。そんな農家さんの家でした。

地域の方々から古民家をご紹介いただきましたさらに「古い家だから、自由に改装していいよ。どうせ取り壊す予定だから」と言っていただきました。
そこで「こんな素敵な家を壊すのはもったいない」と感じた自分は、引っ越しをすることに決めました。荷物を運び込みながら、少しずつ手直しして改装を始めることになりました。

手元にあった電動ドライバーで手直し改装を始めました地域課題を知り「寺子屋」の種が生まれる(2024年8~9月)
ちょうどそのころ、五島市と大学、住民が主体となって地域の課題解決や活性化に取り組む組織「まちづくり協議会」が協働して、若者が地域に関わる仕組みづくりの調査研究に参加できる機会がありました。
調査の結果、地域の方々から挙げられた声は「買い物できる場所がない」「子どもが集まる場所がほしい」「落ち着ける憩いの場が必要」というものでした。

調査研究で大学生に地域を案内する自分そのイベントの後、自分は「この古民家を何かで使えたらよいのかもなぁ」とぼんやりと思いつつ、古民家の畑で牛小屋に置かれていたクワとスキを使って、土を掘り起こしていました。

古民家の家庭菜園でクワとスキが折れましたその途中、畑から大きな石がごろごろ出てきて、クワとスキが折れて、どうしようかなと思っていたら、近所の方から声をかけてくれるようになって、さらに近所の子どもたちが「水やりをしたい」「種を植えたい」と手伝ってくれるようになりました。

近所の子どもたちが水やりをしてくれましたそこから子どもたちとの交流が生まれて、古民家を手直しで改装して「子どもが集まれる場所」をつくる動きが始まりました。これが「寺子屋」のはじまりでした。

近所の子どもたちが集まって「寺子屋」がはじまりました「商店」を開いたときの話(2024年10月)
自分が暮らす地域は、街なかまで数キロ離れていて、ときどきスーパーの移動販売車がくるものの、日常的に買い物できる場所はありません。そこで、車を運転できない高齢者の方が買い物が難しいという状況を知りました。
そこで、販売に必要な資格を取得して、協力隊として活動する市役所勤務の時間外に、古民家に日用品やお酒を置く小さな場所をひらくことにしました。これが「商店」となりました。

近所の方が「商店」に来てくれました小さなお店ですが、台所用品を買いに来たおばあちゃんが財布を忘れてしまい、代わりに商品を届けたらとても喜んでくださったり、運転免許を返納したおじいちゃんがお酒を買いにきてくれたり。そんな日々のやりとりが「商店」を小さな交流の場へと変えていくように感じていきました。

地域の方が必要なものをそろえていっている様子五島でとれた素材から「ものづくり体験」が生まれる(2024年10〜11月)
ある日、学校の先生から「子どもたちの学びの成果として、かたちに残るものをつくりたい」と相談がありました。
また、五島市には都会の学生を受け入れる「離島留学制度」があり、地域の方々からは「第二のふるさととして思い出に残るものをつくりたい」という声を聞くようになりました。

地域の方々に「ものづくり」の素材を取りに船に乗せてもらえましたそこで、五島市にくる前は、狩猟者で獣の皮から「ものづくり」をしていた自分が、五島の素材・魚の皮をつかった「ものづくり体験」を企画することになりました。
ご参加いただいた方からは「自分のものとして大切に使ってみたい」など嬉しい声をいただくことができました。

五島の素材・魚の皮をつかった「ものづくり体験」の様子さらに「ものづくり体験」とほぼ同時期に、偶然立ち寄った街なかの鮮魚店では「使っていない魚の皮があるよ」と声をかけていただく出来事がありました。
自分にとっては魚の皮は「ものづくり」に使える素材。ここで振り返ってみると、この出会いは次の「工房づくり」の挑戦に向けたターニングポイントだったのかもしれないと思っています。

街なかの鮮魚店で魚の皮をもらえたとき廃校の素材をつかって「憩いの場」をつくる(2024年11月)
地域の方々の「落ち着いて集まれる場所が少ない」という声を受けて、古民家や廃校に残っている材料でテーブルや看板をつくり、廃校にあった教材を並べ、子どもも大人も過ごせる「憩いの場」を整えてみました。

商店の看板をつくったときの様子そこには「寺子屋」と「商店」があることで、子どもにとっては「遊び場」と「買い物体験の場」が一体となり、地域の交流がさらに広がっていくように感じました。

地域の子どもたちが買い物をする様子新聞・テレビ取材と、工房づくりへの挑戦(2024年12月~)
このように活動を続けていくことで、古民家を改装した「寺子屋」「商店」の取り組みを、地元の長崎新聞に掲載していただくことができました。
*長崎新聞・2024年12月23日付記事:「五島市地域おこし協力隊 西田さんが商店開設 古民家を改装、「寺子屋」活用も 長崎」
また、ほぼ同時期に、五島の素材・魚の皮を活用した「ものづくり体験」は、NHKなどのメディアにも取り上げていただくことができました。

五島の素材・魚の皮をつかった「ものづくり体験」とテレビ取材この「ものづくり体験」の後、今までの「商店」「寺子屋」「憩いの場」に加えて、魚の皮をつかった「ものづくり工房」をつくる挑戦が始まり、現在に至ります。

魚の皮をつかった「ものづくり工房」を立ち上げたときの様子こうやって日々活動をしていると、地域の方から「様々なことをやっていて、どうしてこの働き方を選んだの?」と聞かれることがあります。
振り返ると、自分は海なし県・埼玉生まれで、東京では離島情報を発信するメディアに勤務して、埼玉では交流拠点や小さな工房を立ち上げていました。
当時の自分が都会で過ごすなかで感じていたことは、都会では便利さと効率が優先され、お金を払えば多くのことは解決されることでした。
一方で、地方では「人と人のつながり」が生活を支えています。これは、決してお金では得られない関係性で、離島や里山に関わりながら働いていたときの体験を通じて、実感していきました。

五島市の広報紙に掲載していただきましたそして、その感覚を確かめたいと思い、ご縁をいただいて五島市へ。地域の方々とのつながりから「寺子屋」や「商店」が生まれ、「ものづくり工房」へと挑戦する道がひらくことになりました。
今はまだ感覚をつかむための手探りの日々だと思っていますが、これからもいただくご縁を大切にしながら、活動を続けていきたいと思っています。

地域の方々に船に乗せてもらってハリセンボンをとってもらえました!自治体と弊社が二人三脚で設計した、安心の協力隊募集プロジェクト
地域おこし協力隊への挑戦を検討している方へ
今回ご紹介した記事のように、地域で活躍するためには「地域の受け入れ体制」や「本音のコミュニケーション」が欠かせません。
弊社では、着任後のミスマッチを防ぐため、自治体に伴走して募集ミッションや受け入れ環境の設計からサポートしています。
現在、その取り組みの一環として各自治体で新たな仲間を募集中です。受け入れ体制がしっかり整った環境で挑戦したい方は、ぜひ募集記事をご覧ください。
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