
「就職8:起業2」という選択 任期後、自分らしい働き方を発見
2026年10月更新
現在募集中の地域おこし協力隊情報
長崎県内の地域おこし協力隊に関心をお持ちの方へ。
弊社が自治体と伴走し、募集企画や受け入れ体制の設計などを支援している募集プロジェクトを紹介します。
地域のリアルやミッションの背景まで深く取材・把握している注目のプロジェクトです。
地域おこし協力隊というと、「起業」をイメージする人も多いかもしれません。
実際、長崎市で隊員として活動していた林田慎一さんも、任期3年目には起業の可能性を模索しながらさまざまな挑戦をしてきました。
地域おこし協力隊での経験をどのように活かすかは、人それぞれです。
今回は任期後、就職と起業のどちらか一方に絞るのではなく、両方の可能性を残しながら進む道を選んだ林田さんに、その選択の背景などについて聞きました。
<林田慎一さんプロフィール>
長崎県出身。
大学卒業後、生命保険会社で営業所長や営業・採用育成戦略担当を歴任。日本商工会議所へ出向時に地域振興に関わる業務を経験したことをきっかけに、地域の仕事に関心を持つ。
2022年~2026年 長崎市地域おこし協力隊(伊王島地域担当)として活動。地域コミュニティ支援やイベント企画、広報活動などに取り組む。
退任後はシステム開発・運用などを手掛ける株式会社シーエーシーに勤務しながら、株式会社つなぐ長崎の代表として地域活動も継続している。
「地域振興に関わりたい」と長崎へUターンを決断
林田さんは隊員になる前、民間企業で営業や人材育成、事業戦略などの仕事に携わっていました。転機となったのは、地域振興に関わる業務を担当したこと。
地域資源を活かした観光商品づくりや事業者支援に関わる中で、「地域振興の仕事をしたい」という思いが強くなったといいます。
それはコロナ禍で長崎に滞在する時間が増えたことも大きなきっかけでした。
当時は県外で勤務していましたが、リモートワークの導入により、長崎の実家で働く時間が増えたそうです。
「久しぶりに長崎で暮らしてみると、やっぱり長崎はいいなと思ったんです」
しかし、コロナ禍が落ち着くにつれてリモートワークは終了し、再び転勤を伴う働き方に戻ることに。「家族との時間も大切にしたいし、長崎で働きたいという気持ちが強くなりました」
地域振興に関わりたい。そして地元・長崎で暮らしたい。そんな思いから、地域おこし協力隊への応募を決意しました。
伊王島で築いた信頼関係
隊員活動では地域コミュニティの支援やまちづくり協議会の運営補助、イベント企画、広報活動など、幅広い任務に携わりました。
その中でも意識していたのは、「地域と外をつなぐ役割」だったといいます。
地域の人と関係を築きながら、行政や企業、金融機関、メディアなどとも積極的に関わり、伊王島の魅力を発信していきました。
また、長崎市南部の魅力を結集した音楽イベント「七歌祭(ナナフェス)」の誘致などにも取り組み、地域内外の人がつながるきっかけづくりを行いました。
「地域の中だけで完結するのではなく、外との接点をつくることを意識していました」と林田さん。活動を続けるなかで、少しずつ地域との信頼関係も築かれていきました。
任期後もまちづくり協議会の事務局として関わり続けているのは、その信頼関係があるからこそです。
地域に入り込み、人と向き合い続けた3年間。
その経験は、今も林田さんの大きな財産になっています。

地域を盛り上げる仲間たちと起業か就職か。隊員3年目の挑戦
任期3年目。
林田さんは起業という選択肢も真剣に考えていました。
起業に向けた挑戦の一つが、夏休み期間中に44日間連続で開催した「毎日縁日」です。
地域の仲間たちとともに企画し、多くの出店者や来場者を巻き込みながら開催しました。
一見すると地域イベントですが、林田さんにとっては単なるお祭りではありませんでした。
観光客と地域の人をつなぎ、新しい仕組みづくりができるかを試す実証実験の場でもあったのです。
「隊員だからこそ挑戦できたことだったと思います」
実際にやってみると、うまくいったこともあれば、思うような結果につながらなかったこともありました。
しかし、この経験があったからこそ、自分が本当に望む働き方を考えることができたといいます。
隊員の3年間は、地域で活動するだけでなく、自分自身の可能性を広げる時間にもなっていました。

「毎日縁日」を挑戦した会場「就職8:起業2」という選択
退任後、林田さんが最終的に選んだのは、就職に軸足を置いた道でした。
現在は株式会社シーエーシーの地域戦略推進室に所属し、行政や地域と連携した業務に携わっています。
その中で活きているのが、隊員時代の経験です。
行政との関わり方。
地域との信頼関係づくり。
地域と企業をつなぐ役割。
「隊員時代に学んだこれらのことが、今の仕事にすごく活きています」と林田さんは力を込めます。
また、隊員時代には、地域課題をビジネス的な仕組みで解決することを目的として株式会社つなぐ長崎を設立しました。
「その時は社長1本で考えていたんですけどね。ビジネスの厳しさを知り、起業か就職かを10対0で考えなくてもいい。そう考えるようになりました」
林田さんは現在、会社員としての仕事を軸にしながら、会社の代表としても活動を続けています。
その結果たどり着いたのが、「就職8:起業2」という働き方でした。
就職か起業か、どちらか一方を選ぶのではなく、今の自分に合ったバランスでどちらも続ける。その形が今の自分にはちょうど良いと言います。
隊員としての経験が次の一歩につながる
林田さんは、隊員の3年間を振り返りながら、「次のキャリアを考える上でとても大切な時間だった」と話します。
地域で活動し、多くの人と出会う中で、自分の得意なことや価値観が見えてきたそうです。
また、任期中にはキャリアコンサルタントの資格も取得。活動をしながら、自分はこれからどんな働き方をしたいのか、よく考えるようになりました。
起業を目指す人もいれば、就職を選ぶ人もいる。
地域に残る人もいれば、新しい場所へ旅立ち挑戦する人もいる。
地域おこし協力隊での経験をどのように活かすかは、人それぞれです。
林田さん自身も、起業の可能性を模索しながら就職活動を行い、自分に合った働き方を探してきました。
「任期後、自分がどうなっていたいかを考えながら活動することが大切だと思います」
地域で築いた人とのつながりや経験は、任期中だけのものではありません。
活動で得た学びや出会いは、その後のキャリアや人生にもつながっていく。
林田さんのお話から、そんな可能性を感じました。
安定もやりがいも諦めない
取材の最後に、林田さんはこんな話をしてくれました。
「安定も欲しいし、やりがいも欲しいんですよ」
そして少し笑いながら続けます。
「地位も欲しいし、お金も欲しいし、やりがいも欲しいし、安定も欲しい。全部欲しいんです」
地域づくりの話になると、「やりがい」や「夢」が語られることが多いかもしれません。
でも実際には生活があります。
家族との時間も大切です。
安定した収入も必要です。
結婚したい人もいるし、子どもが欲しい人もいる。そういう現実も含めて人生です。
だからこそ林田さんは、自分にとってのちょうどいいバランスを探しました。
その答えが、
「就職8、起業2」
という働き方だったのです。
「一人ひとり、ちょうどいいバランスは違うと思うんです」
隊員の任期終了後の道は一つではありません。
起業する人もいれば、就職する人もいる。どちらが正解という話ではなく、どちらを選んでもいい。自分に合った形を見つけることが大切なのかもしれません。
活動で培った経験や人とのつながりを活かしながら、自分らしい働き方を選んだ林田さん。その姿は、これから地域おこし協力隊を目指す人や、卒業後の進路に悩む人にとって、一つのヒントになるのではないでしょうか。

地域おこし協力隊を経験したからこそ選べる次の道地域おこし協力隊へのメッセージ
―地域おこし協力隊として活動する上で大切なことは?
地域の中だけでなく、外とのつながりも意識して活動することだと思います。隊員の経験は将来いろいろな形で活きてくると思います。
―卒業後の進路に悩んでいる人へメッセージをお願いします。
起業だけが正解ではありません。就職も含めて、自分に合った働き方を考えてみてほしいです。一人ひとりにちょうどいいバランスがあると思います。
一人ひとり違う「ちょうどいい働き方」
今回お話を伺い、「地域おこし協力隊卒業後の道は一つではない」と改めて感じました。
起業だけでなく、就職という選択肢もある。そして大切なのは、自分に合った働き方を見つけることなのかもしれません。
地域で築いた人とのつながりや経験は、その後のキャリアにも活かすことができます。
林田さんの姿からは、地域おこし協力隊で得た経験を活かしながら、自分らしい働き方を実現する一つの形を見ることができました。
自治体と弊社が二人三脚で設計した、安心の協力隊募集プロジェクト
地域おこし協力隊への挑戦を検討している方へ
今回ご紹介した記事のように、地域で活躍するためには「地域の受け入れ体制」や「本音のコミュニケーション」が欠かせません。
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