2024年08月20日

地域おこし協力隊から市職員へ。 文化財に宿る「想い」を伝える

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2026年10月更新

現在募集中の地域おこし協力隊情報

長崎県内の地域おこし協力隊に関心をお持ちの方へ。
弊社が自治体と伴走し、募集企画や受け入れ体制の設計などを支援している募集プロジェクトを紹介します。
地域のリアルやミッションの背景まで深く取材・把握している注目のプロジェクトです。

起業、転職、事業継承。

地域おこし協力隊の任期後には色んな人生の選択肢があります。

文化財をテーマに島原市地域おこし協力隊として活動していた吉岡慈文(よしおかひろふみ)さんは、任期後に市職員の道を選びました。その選択の裏に何を感じていたのか?そして気になる任期後の仕事とは?話をうかがいました!

<吉岡さんプロフィール>
長崎県雲仙市出身。大学院で世界史に関する研究を行う。島原観光連盟、民間の文化財調査会社勤務を経て、島原市社会教育課で文化財に関わる島原市地域おこし協力隊として約2年間活動。

2018年〜2020年 島原市地域おこし協力隊として活動

2020年~ 島原市 教育委員会 社会教育課 文化財保護推進室 在籍

当時の姿で残る武家屋敷も
多様な文化財がある島原市。当時の姿で残る武家屋敷も

文化財行政の現場で感じた危機感

――吉岡さんは同じ島原半島にある雲仙市出身ですよね。もともと島原市のこともよくご存じだったんですか?

大学院卒業後、島原半島観光連盟に就職したので島原市には詳しかったと思います。観光連盟を退職したあとに市外の民間企業に転職したんですけど、実は文化財調査の仕事で島原市にはしょっちゅう来ていたんです。その企業に在職しているときに島原市で地域おこし協力隊が募集されることを知りました。

――地域おこし協力隊への応募の決め手は?

民間企業で文化財行政の現場を間近でみて「危機感」を感じていました。限られた人員で文化財を管理するのは大変なことです。当時は今ほど体制もしっかりしてなかったですし。「このままじゃ文化財が危ない」という気持ちが応募の後押しになったと思います。

――危機感を持っていたとはいえ、地域おこし協力隊に応募するのはすごく勇気がいることだったと思います。

危機感とは別に「使命感」のような気持ちもあったんじゃないかな。観光連盟在職時に感じていたのですが、島原には歴史・自然といった「本物」がたくさんあります。それは観光施設のように後から造ったものではなく、もともと地域が培ってきたポテンシャルのことです。島原はまだまだそれらを上手く活かしきれていないと感じていました。外から見てるだけじゃなくて、自分もやらなくちゃなと。


ミッションは「島原の歴史をわかりやすく伝えること」

――地域おこし協力隊としての業務内容は?

ざっくりいうと「島原の歴史をわかりやすく伝えること」です。例えば「松平文庫※1」の展示内容を企画したり、他の地域おこし協力隊と一緒に漫画版「墨是可新話(めしこしんわ)※2」の監修に取り組みました。広報誌で市内文化財を紹介するコーナーも書いていましたよ。

※1:旧島原藩主松平家が歴代にわたり収集・所蔵していた古典籍類等を保存する機関
※2:鎖国期、墨是可(メキシコ)まで漂流した島原の船乗りが日本に戻るまでの物語

編集に携わった「墨是可新話」
編集に携わった「墨是可新話」

島原城「国指定史跡」を目指す渦中で市職員の道へ

――「島原の歴史」と聞くと、島原・天草一揆(島原の乱)の舞台のひとつとなった島原城を思い浮かべる人も多いと思います。島原城と吉岡さん。関わりも深いのではないでしょうか?

指定管理会社の職員を除けば、たぶん私が一番島原城にいると思います(笑) 地域おこし協力隊2年目から特に関わりが強くなりましたね。島原城にも関わる「島原市文化財保存活用地域計画※」を策定していたときは、胃に穴が開く思いをしたのを覚えています…。

※島原市における文化財の保存と活用に関する計画。隠れた地域の文化財の把握を行うなど、市民の声を取り入れながら3年かけて作成された。

島原市のランドマークともいえる島原城
島原市のランドマークともいえる島原城

――島原城に関わる仕事で特に印象に残っていることは?

任期2年目で島原城が国指定史跡を目指す流れになったときかな。組織が整備されていくなかで「文化財保護推進室」という班が社会教育課に新設されて職員が公募されました。私にも案内があり、そのタイミングで正式に市職員になったんです。

――転職のきっかけになったのが島原城なんですね。

2024年は築城400年の節目でもあるので、今でも島原城に関わる仕事は多いです。文化庁とやりとりしたり。ようやく国指定史跡化の出口も見えてきました。ここから先は夢しかありません。今まで以上に島原城が注目を浴びることを願っています。

――もともと市職員になる道は考えていたんですか?それとも、たまたま?

地域おこし協力隊に着任したときは3年後のことはあまり考えてませんでしたね。「なんとかなるやろ」みたいな感じで。長いこと島原市の文化財に関わってきたこともあって、迷うことなく市職員の道を選びました。

文化財に宿る「想い」を伝える

――吉岡さんからはまるでマグマのような文化財への情熱を感じます。その根源はどこにあるんですか?

もともと歴史が好きなのもありますが、それを語るだけでは「歴史好き」で終わってしまうのかなと。現場で文化財を支える仕事をしたかったんです。もちろん島原城も大切ですが、他の文化財も同様です。

文化財に関わるガイドも務める吉岡さん
文化財に関わるガイドも務める吉岡さん

――そもそもなんですが…なんで文化財って大切なんでしょうか?

文化財はその土地らしさ=まちの個性だからです。地域教育、観光、まちづくり。どの分野でも「らしさ」は大事ですよね。文化財を知れば地域理解が深まるだけではなく、武器にだってなるんです。時にはビジネスアイデアにも繋がります。

――確かに文化財の裏にあるストーリーって魅力的に感じます。

もっと言うと、文化財に宿る「想い」こそ価値だと思っています。なんでその文化財が遺っているのか? 郷土愛、火山災害への祈り。それは先人たちの想いがあったからこそです。

文化財は保全するだけではなく、活用してこそ意味があります。例えば火山災害に関わる文化財は「防災」につなげることができますよね。私たちの仕事は先人の想いを読み取り、活用の道筋を考え、それを色んな方面に伝えることだと思っています。

人財育成でまちづくりを支える

――最後に、今後島原でやってみたいことを教えてください。

いろいろやりたいことはありますが、一番は人財育成です。本当にヒトはまちの財産なので。文化財の保全だけをやっていればいい…という時代は終わり、これからは「まちづくり」の視点で文化財をとらえる必要性を感じています。そのためにやりたいのが次世代を支える人財を育てることです。

そういった理由で、忙しいときもガイドやセミナーの依頼は断らないようにしています。

――まちづくりに参加するひとづくり。社会教育課の吉岡さんならではの視点ですね。

せっかく島原城があるのに歴史に興味持つ人が少ないように感じています。歴史分野の専門じゃなくても、その知識をもとにビジネスをやってみよう、みたいな人が増えてくれたらいいなと。大げさに聞こえるかもしれませんが、島原市の生き残りに関わることです。

まとめ

ミッションに取り組みながら、任期後のキャリアを考える必要がある地域おこし協力隊。何かと起業が注目されがちですが、「市職員」としての人生も退任後のひとつの選択肢です。

退任後の社会的立場よりも、「その人らしさ」を持って仕事ができているかのほうが重要なのでは?吉岡さんのお話を聞いてそう感じました。任期後も自分のミッションを持って暮らす吉岡さん。文化財活用の視点からまちづくりを支えるナイスガイでした!

自治体と弊社が二人三脚で設計した、安心の協力隊募集プロジェクト

地域おこし協力隊への挑戦を検討している方へ
今回ご紹介した記事のように、地域で活躍するためには「地域の受け入れ体制」や「本音のコミュニケーション」が欠かせません。
弊社では、着任後のミスマッチを防ぐため、自治体に伴走して募集ミッションや受け入れ環境の設計からサポートしています。
現在、その取り組みの一環として各自治体で新たな仲間を募集中です。受け入れ体制がしっかり整った環境で挑戦したい方は、ぜひ募集記事をご覧ください。

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