
「やりたいことに挑戦を」 地域おこし協力隊員に“先輩”が実体験を元にエール
2026年10月更新
現在募集中の地域おこし協力隊情報
長崎県内の地域おこし協力隊に関心をお持ちの方へ。
弊社が自治体と伴走し、募集企画や受け入れ体制の設計などを支援している募集プロジェクトを紹介します。
地域のリアルやミッションの背景まで深く取材・把握している注目のプロジェクトです。
長崎県内で活動し、任期後、それぞれの道を歩む元隊員3人の「リアル」
地域おこし協力隊の任期後の身の振り方に対するモヤモヤや不安は、多くの隊員共通の課題となっています。そこで今回は、現役隊員の任期後に向けた「次の一手」を探るヒントとして、長崎県内で活動した後、起業などの道を選択した元隊員3人に、それぞれの「リアル」を聞きました。
※この内容は、一般社団法人長崎県地域おこし協力隊ネットワーク(NCN)が2026年2月に長崎県雲仙市で開催した隊員向け研修会でのトークセッションの様子をまとめたものです。
<登壇者>
写真左から
斎藤節子(さいとうせつこ)
1984年生まれ、群馬県出身
2022年4月〜2025年3月 東彼杵町地域おこし協力隊
2025年4月、飲食店「hinata(ひなた)食堂」を開業
伊藤優美(いとうゆみ)
1984年生まれ、神奈川県出身。
2022年9月〜2025年8月 諫早市地域おこし協力隊
現在は、フリーランスのイラストレーター/コミックエッセイスト
倉林実央(くらばやしみお)
1991年生まれ、埼玉県出身
2020年8月〜2022年8月 島原市地域おこし協力隊
任期後は、ライター業、島原半島ジオパーク認定ジオガイドなどに従事
インタビュアー:竹内章(たけうちあきら)
長崎県新上五島町地域おこし協力隊OB
1974年生まれ、富山県出身。NCN理事

飲食店経営を決断したきっかけを振り返る斎藤さん
地域住民にも背中を押され起業、食堂をオープン! 任期中、雇用形態の変更も
竹内:斎藤さんは2025年春、3年間の任期を経て起業し、飲食店経営に乗り出しました。起業という道を選んだ理由は?
斎藤:もともと飲食店をやりたい夢はありましたが、テレビの取材で「お店をやりたい!」と話したところ、「いつやるの?」「いい場所見つかった?」と地域の皆さんに気にかけて頂くようになり、背中も押される形で挑戦することを決めました。
竹内:任期2年目、雇用形態を「雇用型(会計年度任用職員)」から「委託型(個人事業主)」に変更していますね。雇用形態の裁量は所属する自治体に委ねられていますが、任期途中での切り替えは珍しいです。
斎藤:役場の担当者から「切り替えたら起業に向けて動きやすくなる」と提案してもらったんです。もともとのミッションは情報発信がメインでしたが、任期後半は起業に向けた活動を中心に取り組むことができるようになりました。

「描くことを生業にしたい」と話す伊藤さん
絵を描くことが好き! イラストレーター/コミックエッセイスト目指し雌伏の時
竹内:伊藤さんは2025年夏に任期を終え、現在はフリーランスのイラストレーター/コミックエッセイストとして本格的な活動を目指しています。
伊藤:絵を描くことが好きなので、任期中はミッションの「情報発信」と、好きな「絵を描く事」を掛け合わせた活動などに取り組みました。自分が感じたことなどを発信することで誰かとつながりが生まれることがあり、「これは仕事になるのでは」という思いが確信に変わりました。やっぱり描くことを生業にしたいです。
竹内:日々の体験や感情を漫画形式で描く「コミックエッセイ」というジャンルに取り組みたい、という方針で情報発信を続けていますが、現在の収入はどうですか?
伊藤:収入の中心は現状、失業保険です。職業訓練講座を受講しながら、スキルアップを図りつつ生活しています。
竹内:生活費のために、少しアルバイトもしているそうですが今後は?
伊藤:バイト先では、週5日勤務で長期間働けるような人が求められる傾向があり、自分が思い描いているキャリアとはどうしても合いません。現在のバイト先も卒業する予定です。
竹内:失業保険は、雇用保険に加入して保険料を支払ってきた人が活用できる正当な権利。自身のキャリアを見据え、受給しつつ夢を追うことに何の問題もないと思います。

「火山女子」として名を馳せる倉林さん
「火山」をテーマに、協力隊活動と任期後のライフスタイルを構築
竹内:最後に倉林さんですが、火山を愛する「火山女子」として有名ですね。活動していた島原半島には、有名な活火山・雲仙岳があります。もともと火山を活用した地域起こしがテーマだったんですか?
倉林:フリーミッションということもあり、最初は「これ」というものが決まっていませんでした。島原に火山に詳しい人がいて、いろいろ教えて頂くうちに、もともと好きだった火山の魅力に取りつかれた感じです。地元の弁当屋とコラボし、島原半島の食材を使った「火山弁当」も開発しました。
竹内:今も、やはり火山に絡む仕事をしていますか?
倉林:結婚を機に、現在は(隊員として活動していた島原市に隣接する)雲仙市で子育てをしながら認定ジオガイドやフリーライターなど3、4足のわらじを履き、いろいろ取り組んでいます。ガイド業は、研修も受けながらステップアップを図っているところ。いずれ個人ガイドとして独立したいと考えています。
竹内:もともと関心があった「火山」というテーマと協力隊活動、そして任期後の取り組みを、ひとつなぎにした形ですね。2024年に全国の火山愛好家と「日本火山好き協会」を立ち上げたり、「火山好きサミット」を開催したりと、素晴らしい行動力です。

活用した公的支援制度を振り返る3人融資を受ける際のサポートからスキルアップまで、隊員が活用したい公的支援
竹内:実務的な話を聞きたい隊員も多いようなので、お聞きします。斎藤さんは起業に際し融資を受ける際、公的な支援機関のサポートを受けていますね。
斎藤:融資を受けるために創業計画書を作成する必要がありましたが、地元の商工会や商工会経由で派遣された中小企業診断士という専門家の支援を受けました。
竹内:倉林さんは、「火山弁当」という名称を商標登録していて、いずれ横展開も図りたい意向ですが、登録作業の際に支援を受けましたか?
倉林:長崎県大村市に知的財産に関する公的支援機関(※INPI長崎県知財総合支援窓口=運営事業者:一般社団法人長崎県発明協会)があると聞き、サポートを受けました。
竹内:隊員はクリエイティブなスキルを持っている人も多いので、任期後に向けた取り組みに応じてこのような機関も活用したいですね。伊藤さんは、ハローワークで職業訓練を受けているとのことですが、何を学んでいますか?
伊藤:フォトショップ、イラストレーター(ともに画像編集ソフト)を学んでいます。オンラインで受講できるので便利です。
竹内:3人とも公的な支援機関を上手に活用していますね。さまざまな投資や経費の抑制につながるので、見習いたいです。

任期後の「リアル」を語った元隊員に質問する現役隊員「チャレンジすることを恐れないで」 現役隊員へのメッセージとして口をそろえる3人
竹内:最後に、現役隊員にメッセージをお願いします。
倉林:いろいろなことに挑戦する気持ちを持ってほしいと思います。ライター業を通じ、いろいろな人にインタビューする中で気が付いたんですが、成功した人に話を聞くと、諦めずに挑戦を続けた人が多いです。協力隊って、うまくいかないことも多いですが、いろいろ方向も変えながらトライしてください。
伊藤:やりたいことを、どんどんやってほしいと思います。私自身、自由度が高い協力隊活動を通じ、やりたいことに取り組んできましたが、この取り組みは自分と本気で向き合った結果、出てきたもの。失敗もするし、何の役に立っているのかな、って感じることもありますが「これでいいんだ」と感じています。
斎藤:私は3年間、やりたいことをひたすらノートに書いていました。できる、できないではなく、ちょっと思いついたらメモ。全部できたわけではありませんが、やりたいことを書き出すことは大切だと思います。それと、やりたいことを口に出すことも重要だと感じています。
それぞれが置かれた環境で、どれだけ自分らしさを発揮できるか
任期を終え、いろいろな道に進んだ隊員を、たくさん見てきました。個人的に思うのは、それぞれの道に優劣などないという事です。
大きな夢を持っている人や、起業した人などが偉い訳ではありません。隊員はみな、それぞれが置かれている環境や事情があります。養うべき家族がある人・ない人、特別なスキルを持っている人・持っていない人、お金に余裕がある人・ない人――。「目立つ隊員」を横目に落ち込む隊員もいますが、誰かと自分を比べることに意味はありません。
今回話を聞いた3人は、自分が置かれた環境の中で、挫折や失敗を経験しながらも自分らしさを発揮しながら前向きに進む姿が印象的でした。モヤモヤや不安を抱える人は、ぜひ3人に会いに来てください。
自治体と弊社が二人三脚で設計した、安心の協力隊募集プロジェクト
地域おこし協力隊への挑戦を検討している方へ
今回ご紹介した記事のように、地域で活躍するためには「地域の受け入れ体制」や「本音のコミュニケーション」が欠かせません。
弊社では、着任後のミスマッチを防ぐため、自治体に伴走して募集ミッションや受け入れ環境の設計からサポートしています。
現在、その取り組みの一環として各自治体で新たな仲間を募集中です。受け入れ体制がしっかり整った環境で挑戦したい方は、ぜひ募集記事をご覧ください。
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