2025年10月21日

人々の「行き先」を創りたい 事業を通じて地域課題にアプローチ

date_range

2026年10月更新

現在募集中の地域おこし協力隊情報

長崎県内の地域おこし協力隊に関心をお持ちの方へ。
弊社が自治体と伴走し、募集企画や受け入れ体制の設計などを支援している募集プロジェクトを紹介します。
地域のリアルやミッションの背景まで深く取材・把握している注目のプロジェクトです。

長崎県の離島・壱岐市で起業した3人の元隊員

任期を終えた地域おこし協力隊員の中には、そのまま赴任地に残り、協力隊活動を通じ築き上げた地域との絆をベースとして、起業に挑戦する人がいます。長崎県の離島・壱岐市で、2025年春に産声を上げた「株式会社いきさき」も、そんなケースの一つ。「事業として地域課題にアプローチしたい」という思いを胸に会社を立ち上げた元隊員の女性3人に、起業の経緯や今後の思いを聞きました。

※今回の内容は、一般社団法人長崎県地域おこし協力隊ネットワーク(NCN)が2025年9月に壱岐市で実施した隊員向け研修会での座談会の様子をまとめたものです。

<株式会社いきさきメンバーらプロフィール>
写真左から
長澤瑞輝(ながさわみずき)さん
1988年生まれ、群馬県出身。
2022年7月~2025年7月 壱岐市地域おこし協力隊OG
株式会社いきさきCEO/プロデューサー
隊員時代は、空き家活用や移住定住のサポートを手掛ける

髙田望(たかだのぞみ)さん
1990年生まれ、東京都出身
2020年4月~2023年3月 壱岐市地域おこし協力隊OG
株式会社いきさきディレクター/フォトグラファー
隊員時、SNS運用やふるさと納税返礼品の取材・撮影、チラシやポスターの作成などを行う

田口有香(たぐちゆか)さん
1981年生まれ、大阪府出身。
2020年4月~2023年3月 壱岐市地域おこし協力隊OG
株式会社いきさきディレクター/ライター
隊員時には、SNS運用や取材記事の作成などの情報発信や、メディア対応などを担当

坂本栄子(さかもとえいこ)さん
勝本浦まちづくり協議会事務局長
勝本浦地区における協力隊の活動を支援
長澤さんとは、空き家掘り起こしや地域イベントなどの際に連携

インタビュアー:竹内章(たけうちあきら)
長崎県新上五島町地域おこし協力隊OB
1974年生まれ、富山県出身。NCN業務執行理事

株式会社いきさきのホームページ
株式会社いきさきのホームページ。トップページには社名に込めた思いに関する記載も


人々が思わず向かいたくなる「行き先」を創りたい

竹内:「株式会社いきさき」の事業概要を教えてください。

長澤:空き家の利活用をメインに、デザインやコンテンツ制作、観光関連事業にも取り組んでいきたいと考えています。立ち上げメンバーの3人が、隊員時代に担っていた取り組みの延長線上の活動となります。

竹内:社名に込めた思いは?

長澤:人々が思わず向かいたくなるような「行き先」を創りたい、という思いを込めました。その行き先というのは、場所であったり時間であったり、誰かが見ている未来のようなものであったり。「壱岐が咲いていく」ということにも掛けています。

竹内:協力隊としては、高田さんと田口さんが同期で、長澤さんは後輩になりますね。長澤さんから2人に声をかける形で3人が集結しました。

髙田:最初、声をかけられたときはうれしかったです。同時期に隊員として活動していたときもあり、長澤さんとだったらやれるな! と思いました。

田口:長澤さんの起業に対する思いを聞いたとき、すごく共感できる部分があり、すぐに「やりまーす!」という感じでした。

港で壱岐市地域おこし協力隊に相談ができる「港で協力隊」イベントに参加したとき
港で壱岐市地域おこし協力隊に相談ができる「港で協力隊」イベントに参加したときの長澤さん
海で写真を撮影する髙田さん
海で写真を撮影する髙田さん
壱岐の魅力を知ってもらおうと「島の写真展」を開催した時の田口さん(右)


民間企業であれば課題に対してフレキシブル対応が可能

竹内:起業にはリスクも伴いますが、あえて決断した理由は?

長澤:協力隊として行政に所属しながら活動する中で、公平性や手続きの制約により機動的な支援に限界があると感じていました。民間企業であれば、経営側の判断で課題に即応し柔軟に支援できるので、フレキシブルに動ける会社を設立して活動したいと考えました。

田口:隊員が起業するメリットとしては、やはり任期中に人脈を広げることができる点があると思います。(同席している)坂本さんのように応援してくださる方がいるというのは、とても心強いです。

坂本:3人とも、隊員としてどんどん地域に入り込み、関係性を築いてきた経緯があります。課題・問題意識も、しっかり持っています。ほかの事業所では対処しきれない部分を解決しようという思いも強く感じられるので、今後が楽しみです。

竹内:起業に際し必要な実務についてはどこでサポートを受けましたか?

長澤:商工会で全体的なアドバイスをいただいているほか(国が全国に設置している無料経営相談所の)長崎県よろず支援拠点にも相談しました。

会社設立に踏み切った経緯を振り返るいきさきのメンバーら


担当職員と相談のうえ、起業に向けた準備は任期中から着手

竹内:任期後に起業する場合、可能であれば任期中から準備を進めた方がスムーズだと思いますが、みなさんはどうしましたか?

長澤:壱岐市の場合は、卒業に向けた活動は、だいたい2、3年目から時間をもらえるようになるので、そのころからいろいろな準備を進めるという感じです。

髙田:私は、所属先の担当職員と任期後の活動を共有するなかで「では、この日は卒業後に向けた取り組みをしてもいいようにしましょう」といった風に調整していましたが、田口さんは?

田口:卒業後は個人事業主としてぼちぼちやっていく予定だったので、任期中は、がっつり起業準備に時間を取ることはありませんでしたが、そのなかでもホームページの作成など少し作業したいなと思った時は、担当職員と相談してその都度、調整していました。

竹内:起業に向けた準備を任期中、どの程度認めるのかは自治体によって対応が異なるようです。明確なルールが無いケースもあるので、積極的に交渉した方がいいですね。

事業として地域課題にアプローチしていきたい

竹内:元隊員による起業という点で、地域とのかかわり方もひとつポイントになるのかなと考えますが、意識していることはありますか?

田口:私は子供が3人いることもあり、子どもを通じた地域とのつながりもたくさんあります。そこからお仕事につながったり、さらに友達が増えたり、ということも結構あるので、いろいろ顔を出すように心がけています。

髙田:公民館での活動や住んでいる地区での活動など、自分の身の回りの方とのコミュニケーションは、そのまま続けていきたいなと考えています。

長澤:創業したということで確かに立場は変わりましたが、地域が抱える課題に対しては、今まで通り自分ができることを探していきたいです。事業としても課題を解決するためのアプローチができればと考えています。

坂本:島には、私も所属している(住民や団体が地域の課題解決やより良い地域づくりを目指す組織の)「まちづくり協議会」が15ありますが、このメンバーと話すと、よく3人の名前が出てきます。地域に入り関係を築いている証拠で、本当にすごいなと感心しています。

壱岐市地域おこし協力隊OGの話に耳を傾ける県内の現役隊員
壱岐市地域おこし協力隊OGの話に耳を傾ける県内の現役隊員

ベクトルを外に向けることが大切

竹内:最後に、起業を含めた任期後の身の振り方に関して、現役隊員にメッセージを。

坂本:見知らぬ土地に移住し、活動することは本当に大変だと思いますが、地域の声にも耳を傾けながら活動してほしいと思います。

田口:生活費など金銭面で不安になることもあると思います。私の経験でよければすべてお話しするので、いつでもお声がけください。頑張っていきましょう!

髙田:私自身、自分が楽しみながら、関わる人も笑顔になるような活動を続けたいと願っていますが、みなさんも楽しみながら活動を進めてほしいです。

長澤:起業に際しては、自分の思いにばかり目を向けるのではなく、ベクトルを外に向けることが大切だと感じています。私は、漠然とした不安やプレッシャーで頭が一杯になった時は、目の前にいる人が笑顔になるにはどうすればいいんだろう、と意識的に考えを変えるようにしています。

地域おこしに必要なのはプレイヤー

僕自身も、長崎県内の離島で隊員として活動した経験がありますが、その時に感じたのは、地域が求めているのは「評論家」ではなく「プレイヤー」ということでした。

地域活性化に必要なのは、誰も思いつかないような突き抜けたアイデアなどではなく、ほとんどの場合、地域の誰もが必要だと感じている「当たり前」のこと。ただ、その当たり前のことに従事するマンパワーが足りません。

今回、話を聞いた3人は、隊員時代に培った地域との絆を元に、任期後も地域のマンパワーとして汗を流しています。起業に踏み切るほどの行動力を備えた3人の存在は、本当に貴重。隊員ではなく、民間企業だからこそできることがある、との言葉もその通りで、今後の活躍が楽しみです。

<株式会社いきさき>
所在地 長崎県壱岐市勝本町
創業 2025年4月
代表 長澤瑞輝
事業概要 空き家活用事業、コンテンツサポート事業、地域イベント事業、旅行代理店代行業
ホームページはこちら

自治体と弊社が二人三脚で設計した、安心の協力隊募集プロジェクト

地域おこし協力隊への挑戦を検討している方へ
今回ご紹介した記事のように、地域で活躍するためには「地域の受け入れ体制」や「本音のコミュニケーション」が欠かせません。
弊社では、着任後のミスマッチを防ぐため、自治体に伴走して募集ミッションや受け入れ環境の設計からサポートしています。
現在、その取り組みの一環として各自治体で新たな仲間を募集中です。受け入れ体制がしっかり整った環境で挑戦したい方は、ぜひ募集記事をご覧ください。

Home
Nagasaki Edit

人々の「行き先」を創りたい 事業を通じて地域課題にアプローチ

Consulting Desk

相談受付

隊員や自治体の方からの活動におけるお悩み相談などはこちら

Contact

お問い合わせ

取材やお仕事の依頼などのお問い合わせはこちら