
任期後、地域に残りどう稼ぐ? 観光分野への就業は有力な選択肢!
2026年10月更新
現在募集中の地域おこし協力隊情報
長崎県内の地域おこし協力隊に関心をお持ちの方へ。
弊社が自治体と伴走し、募集企画や受け入れ体制の設計などを支援している募集プロジェクトを紹介します。
地域のリアルやミッションの背景まで深く取材・把握している注目のプロジェクトです。
地域おこし協力隊員が任期後も地域に残る際、就業先として観光業を選ぶケースが多くみられます。背景にあるのは、協力隊活動との「相性の良さ」。そこで、長崎県南部の島原半島で、地元の観光団体に就職した元隊員3人に、協力隊活動と観光業の親和性の高さなどについて聞きました。
<座談会プロフィール>
写真左から
堀口治香(ほりぐちはるか)さん
1996年生まれ、東京都出身。
2019年〜2022年 雲仙市地域おこし協力隊
2022年 一般社団法人雲仙観光局(雲仙市の観光団体)に就職
隊員時代のミッションは集落営農支援。趣味は絵を描くこと、ウクレレ。田口賢(たぐちさとし)さん
1990年生まれ、長崎市出身。
2021年〜2024年 島原市地域おこし協力隊
2024年 株式会社島原観光ビューロー(島原市の観光法人)に就職
隊員時代のミッションは情報発信やイベント企画など。趣味は釣り。樋上龍矢(ひのうえたつや)さん
1988年生まれ、大阪府出身。
2021年〜2024年 雲仙市地域おこし協力隊
2025年 一般社団法人島原半島観光連盟(島原半島全域の観光団体)に就職
隊員時代のミッションは観光振興。趣味は山歩き、おいしいものを食べること。インタビュアー:竹内章(たけうちあきら)
1974年生まれ、富山県出身。一般社団法人長崎県地域おこし協力隊ネットワーク業務執行理事
長崎県新上五島町地域おこし協力隊OB

島原半島公式観光サイトのHP(*1)。観光資源豊かな半島エリアを紹介している活動地域に残り就業した隊員が選んだ業種 「観光業」は第2位
竹内:総務省の調査(*2)によると、任期後も地域に残って就業した隊員が選んだ業種の中で、「観光業」の人気は第2位でした。3人が観光業を選んだきっかけは?
田口:今勤務している観光法人の前社長に誘っていただきました。当初、任期後は長崎市にある実家に帰る方向に気持ちが傾いていましたが、島原の魅力を生かした体験コンテンツ開発などを任せたいと言われ、隊員時代の経験が生かせると思い就職を決めました。
樋上:退任と同時に、いったんは九州7県をつなぐ九州自然歩道を踏破する旅に出ましたが、九州各地の土地や人に触れた上で、やはり知り合いも多く慣れ親しんだ雲仙で暮らすのがいいかな、と仕事を探していたところ、募集があったので応募した形です。
堀口:田口さんと同じで、今の職場に誘っていただいたのがきっかけでした。農業が好きで、任期後は農業法人に就職しようかな、と思っていました。観光業の経験はありませんでしたが、農家さんを観光面から後押しできるかもしれない、と就職を決めました。
竹内:みなさん自ら進んで観光業を選んだというよりは、周囲の人から「この人は観光に向いているのでは」と思われた点が共通点ですね。観光分野には、Iターン者の力が必要とされている証拠かもしれません。
*2 総務省「令和6年度地域おこし協力隊の定住状況等に係る調査結果」(令和7年)

雲仙市内の農家の棚田で、稲刈りを手伝った時の様子。手刈りで汗を流した
九州自然歩道を約4か月かけて一周ぐるりと歩き、再び島原半島(雲仙市)戻った時の様子。「慣れ親しんだ景色が"新鮮"に感じた」
島原観光ビューロー入社後。島原城天守閣最上階で湧水飲み比べを企画した時の様子隊員は、普段の活動を通じ地域の「強み」を知る機会に恵まれている
竹内:隊員経験者と観光業の相性の良さは、どこにあるのでしょう?
田口:観光業は、地域の魅力を外部に向けて売る仕事ですが、その前提として、地域を学び地域が持つ「強み」を理解することがとても重要になります。隊員は、普段の活動を通じ地域を知る機会が多いので、観光業と相性がいいのではないでしょうか。
竹内:確かに、隊員のミッションが何であっても「地域を知る」という点は共通していますね。
堀口:観光業は、業務を通じていろいろなジャンルとつながりを持つことになりますが、それは隊員も同じ。共通点があると感じます。
樋上:私もそう思います。協力隊活動は、まんべんなくいろいろなところとつながりを持つことができて、そこがいいと思います。個人的には、協力隊の活動以外にも、地域の一員として消防団に入ったことや、スポーツ推進委員になったことでもつながりが広がりました。
田口:就職後、隊員時代に接点があった人と思いがけない場面で連携が実現したこともあり、任期中の3年間が生きているなと実感することもあります。
竹内:協力隊活動や普段の暮らしを通じ、自然と地域を学んだり人脈を築いたりできることが観光業との相性の良さにつながっているようです。

堀口さんは農業に携わりたくて雲仙市に自家採取農法や在来種野菜の地域内周知ができたら
竹内:3人とも、自らの興味や関心に軸足を置きながら観光業に従事し、働きながら日々の生活を満喫しているように見えます。それぞれの現状を教えてください。
堀口:私は農業がやりたくて雲仙に来た経緯もあり、協力隊時代のおかげで地域の農家さんをよく知っているので、例えば体験型観光ツアーの商品開発を行う際、担当者に農家さんを紹介したり、アイデアや注意するべき点などをアドバイスしたりすることがあります。
竹内:近年、雲仙の野菜は注目を浴びる機会が多いです。
堀口:自家採種農法や在来種野菜にも魅力を感じています。食材として興味を持ってくれるシェフもいるので、個人的な願望として普及に一役買いたいな、と願っています。

観光業の魅力を語る田口さん「観光業界はダントツにおもしろい」
田口:隊員になるまではメーカーや制作会社、Webメディアなどの業界で働いてきましたが、観光業界はこれまでに携わった業界の中でダントツに面白いです。
竹内:どんなところが?
田口:まちづくりに直結している、という部分でしょうか。やりがいを感じます。島原市の観光業は、これから次のステップを目指していかなければならないですが、外部の視点も生かしつつ観光業の発展に貢献できているのでは、と感じることもあります。
竹内:大変なことも多いと思いますが、発展途上にある地域の観光業に携わることで、成長を実感できるという事ですね。
田口:観光への取り組みを通じて、この土地の「地域らしさ」も残していきたいです。いつかは故郷の長崎市に戻るつもりですが、その時は長崎市でも観光を通じたまちづくりに貢献したいです。

樋上さんの九州自然歩道踏破の旅は、新聞でも取り上げられた地域の魅力を理解したいし、地域の人にも魅力を再認識してほしい
竹内:樋上さんは、職場でサイクリングを担当しているそうですね。
樋上:島原、雲仙、南島原の3市からなる島原半島全体の観光振興を目的とした職場で、サイクル事業を担当しています。隊員時代から、雲仙市の雲仙温泉街という島原半島の「真ん中」を拠点にしていることもあり、島原市や南島原市の方とも繋がりがあったので、そのあたりが現在の活動にも生きています
竹内:屋外のアクティビティに携わることで気付いたことはありますか?
樋上:島原半島のように半島内のどこからでも約20〜30kmの距離で標高1000メートル超のところまで自転車で登ることができる場所は非常に珍しいですが、長崎県内では、自転車に乗っている人が少ないこともあり、こういった地域の魅力が十分に理解されていない印象があります。
竹内:地域の意識を変える一助となることができれば、ということでしょうか。
樋上:私自身、地域の魅力をきちんと理解したいと思っていますし、地元の方にも地域の魅力を再認識していただきたいと考えていて、これこそが自分がこの地域に残っている意味かもしれません。

ともに島原半島で観光業に携わる元協力隊員の3人退任したことで、より広い地域のために仕事ができるように
竹内:協力隊活動も、観光の仕事も、地域を元気にするという意味では変わりありませんが、退任したからこそできることはありますか?
樋上:協力隊時代は、所属している自治体があったので活動もそのエリアに限られましたが、今は自治体をまたぐ形で仕事をしているので、より幅広い地域のために活動できるようになりました。
田口:営利を目的に動けるようになった点が大きいです。協力隊活動は公共性がキーワードでしたが、たとえばイベントを開催する時も料金を頂くことができず、動きにくさを感じることがありました。
堀口:今の職場は副業が許されていることもあり、堂々と営業し稼ぐことができるようになりました。協力隊時代も「本業に影響が出ないのであれば副業もOK」でしたが、どこまでが許されるのか分かりにくい部分もあり、なかなか踏み出せませんでした。
竹内:3人とも島原半島で観光業に従事している元協力隊員、という共通点があるので、3人で観光会社でも立ち上げてみては?
田口:選択肢の中で、それが最善だと感じたら、個人的にはやってみたいです。
隊員としての経験を最大限に生かせるジャンルの一つ
任期後、地域に残り就業した隊員が選んだ業種で「観光業」は人気第2位、というデータを紹介しましたが、実は1位は「行政関係」です。活動していた自治体の職員になったり、集落支援員になったり。議員に転身する人もいます。
過疎化が著しい地方では「役所が一番安定した就職先」と言われることもあり、行政関係という選択肢も確かに有力。ですが、行政という立場から離れることで、できることがあることも確かです。
今回のインタビューで3人が話していた通り、観光業は協力隊としての経験を十分に生かせる働き口の一つ。任期後の身の振り方に悩んでいる隊員は一度、検討してもいいのではないでしょうか。
自治体と弊社が二人三脚で設計した、安心の協力隊募集プロジェクト
地域おこし協力隊への挑戦を検討している方へ
今回ご紹介した記事のように、地域で活躍するためには「地域の受け入れ体制」や「本音のコミュニケーション」が欠かせません。
弊社では、着任後のミスマッチを防ぐため、自治体に伴走して募集ミッションや受け入れ環境の設計からサポートしています。
現在、その取り組みの一環として各自治体で新たな仲間を募集中です。受け入れ体制がしっかり整った環境で挑戦したい方は、ぜひ募集記事をご覧ください。
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