
「想いや活動をつなぎたい」。退任後、地域に何を残せるのか考えた日々
2026年10月更新
現在募集中の地域おこし協力隊情報
長崎県内の地域おこし協力隊に関心をお持ちの方へ。
弊社が自治体と伴走し、募集企画や受け入れ体制の設計などを支援している募集プロジェクトを紹介します。
地域のリアルやミッションの背景まで深く取材・把握している注目のプロジェクトです。
地域おこし協力隊には、原則3年以内という任期があります。任期中の活動は、もちろん大事。ですが任期後、「地域に何を残せるのか」も、それ以上に重要かもしれません。
活動や成果が一時的なものにならないよう、自分に何ができるのか、何をするべきなのか。この問題に正面から向き合った長崎県平戸市の元隊員・齊藤三花(さいとうみか)さんに退任直後、自身の取り組みや地域おこし協力隊制度に対する想いを聞きました。

齊藤さん(左)は退任後、婚約者と一緒に長崎市で新生活をスタート<齊藤三花さんプロフィール>
神奈川県川崎市出身。
2022年4月〜2025年3月 平戸市で地域おこし協力隊として活動
2025年4月 任期満了に合わせ長崎市に移住、婚約者との生活を開始
2025年6月 保育園に就職
齊藤さんの過去の紹介記事はこちら
平戸の海と人情に惚れて
定住にも起業にも役立つ!任期3年目・愛され隊員の“地おこマインド”
結婚を控え退任後は長崎市に移住。地域からは別れを惜しむ声
――任期満了と同時に、赴任地である平戸市を離れ、婚約者が暮らす長崎市で新生活をスタートさせしました
「任期後は、平戸市に残って就職するつもりでした。いろいろな方に“うちにおいでよ”と誘っていただき、どこで働こうかと思っていましたが(婚約者である)彼の事情もあり、彼と彼の家族がいる長崎市で暮らすことにしました」
――地域からは、別れを惜しむ声がたくさん上がったそうですね
「泣いてくれるおばあちゃんがいたり、“手放すのが惜しい人材”と言ってくれた地域の方もいたりしました。ありがたいことです。平戸市を離れることに正直、葛藤もありました」
――隊員を経験した結果、まちづくり活動がライフワークになったようです
「実は、長崎市に転居した後も地域活性化に絡む仕事ができれば、といろいろ探していました。ですが、これから始まる結婚生活、子育てなど将来のことなどを考慮し、就職先を選びました」

退任時、地域の子どもたちからもらった愛情あふれる手紙の数々「やる気スイッチを入れたかった」。子どもたちとの活動を突破口に
――着任時に求められたミッションは、平戸市・中部地区のまちづくり活動支援。農業体験を通じた生産者との連携強化や直売支援、商品開発などでした
「地域に馴染むことも目標としながら活動していましたが、そのうち、このミッションをこのまま続けていいのかな、と考えるようになりました。今やるべきことはこれではないのでは、今必要なことに取り組むべきではないのか、と気持ちが変化していきました」
――ミッションとは異なる活動に取り組むべきだと考えたわけですね
「地域おこしの取り組みが、一時的なものではいけないという思いを強くしました。隊員が一人でできることには限界があります。そこで、まちづくりに興味を持ち参加してくれる人を増やす戦略を実行に移し始めました。私自身が楽しみながらまちづくり活動に従事する姿を見せることで、地域の“やる気スイッチ”を入れるイメージです」
――戦略として、地域の子どもたちを巻き込んだ取り組みを重視しました
「地域の未来を担う子どもたちが楽しいと思った体験は、きっとまちづくりの礎になる、と考えています。同時に、その楽しむ姿を保護者が目にすることで、地域活動に対する関心がさらに高まるはず、とも思ったんです。以前、保育園で働いていた経験もあり、子どもたちの活動は保護者に大きな影響を与えることを知っていたので」

中部公民館のびのびサマーJr.スクールの様子
根獅子・飯良まちづくり運営協議会による春祭りの風景退任後を見据え、最終年は「資料」作りに尽力
――任期最終年となる3年目は、退任後を見据えて「資料」作りを進めました
「どのような活動にどうやって取り組んだのか、地域課題を含むその活動の背景や、現場で感じた事などを、資料として残す事が大切だと考えたんです。私が退任した後、活動を継続する際の資料として、思いをつなぐ材料として活用してもらえればと思っています」
――地域おこし活動のバイブルのような資料ですね
「地域おこしに参加しているのは60代以上という印象で、やはりより若い世代にも関心を持ってもらう必要があります。今回作成した資料を基に、隊員をはじめ地域、行政が一体となり、他人事ではなく“自分ごと”として取り組みを将来につないでくれるよう祈っています」

任期3年目は資料作成作業に尽力行政とも信頼関係を構築することに成功
――行政との関係性に悩む隊員も多いですが、良好な関係を築きました
「隊員として活動していくには、行政は味方にしておくべきだと感じています。活動を通じて気が付いたこと、感じたこと、疑問に思ったことなど、何でも話し合いました。出さなくてもいい報告書まで作成し、提出していました。結果、職員の方から“これ、どうしたらいいかな”などと相談を受ける機会も増えました」
――退任した後も、引き続き交流があると聞いています
「信頼関係は構築できていたので、そのおかげかなと思っています。職員の方からは、地域おこし協力隊とはどのようなものかよく分かった、協力隊の成功例になっていると思う、と言ってもらえました」
――行政やその職員によって、協力隊制度に対する意識に温度差があるようです
「隊員もそれなりの覚悟を持ち、地方に移住してきます。行政も採用する以上、ほったらかしではなく、きちんと地域に周知徹底を図るなど、できることは多いと思います。もっと危機感を持っていい地域もあると感じます」

活動報告会には市長や市役所職員など大勢が集まった今後も平戸市の関係人口として、かかわりを維持
――退任後、平戸市とのかかわりはどうなっていきそうですか
「副業として、まずは隊員時代に所属していたまちづくり団体の活動をサポートしたいと考えています。私が企画・実施していた子ども向け宿泊体験などに参加する方向で話も進んでいます。ボランティアはだめです。持続するのが難しくなるので。現役隊員のサポートもしたいですね。隊員経験者だからこそ共感・理解できる話もあるので」
――プライベートで平戸市に足を運ぶ機会も多いと聞きました
「月一回は通っています。結構な頻度です。地域の方は、私が乗っている車を知っていますが、先日も私の車を見かけた子どもがいて、いつのまにか私が平戸にいることがその子のLINE経由で知れ渡っていました。気が付けば、まちの人がほとんど知り合い、という状況。たくさんの人に恵まれ、活動を続けることができたと感謝しています」

平戸市での活動を振り返る齊藤さん任期後も見据えた取り組みの一つのモデルケースに
地域おこし協力隊の退任後を見据え、「自分はこの地域に何を残せるのか」ということを真剣に考え、行動している隊員は決して多くないと思います。
「次につなぐ活動」を考え、実践した齊藤さんの試みは、任期後を視野に入れた取り組みの一つのモデルケースになるのでは、と考えさせられました。
自治体と弊社が二人三脚で設計した、安心の協力隊募集プロジェクト
地域おこし協力隊への挑戦を検討している方へ
今回ご紹介した記事のように、地域で活躍するためには「地域の受け入れ体制」や「本音のコミュニケーション」が欠かせません。
弊社では、着任後のミスマッチを防ぐため、自治体に伴走して募集ミッションや受け入れ環境の設計からサポートしています。
現在、その取り組みの一環として各自治体で新たな仲間を募集中です。受け入れ体制がしっかり整った環境で挑戦したい方は、ぜひ募集記事をご覧ください。
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